基本②「気づくこと」を学習する
結論的な言い方をすれば「バイアスに気づくこと」が大切です。
2023年に読んだ本で印象に残った本に知覚に関する本が3冊ありました。
『知覚力を磨く』神田房枝 / 2020
『観察力を磨く 名画読解』エイミー・ハーマン / 2016
『脳は「ものの見方」で進化する』ボー・ロット / 2017
2020年頃に「VUCA」という言葉がマスコミを中心にもてはやされました。ネット検索すると「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、目まぐるしく変転する予測困難な状況を意味します。」と出てきます。
「VUCA」とはもとは軍事用語で、今日的に使われる文脈では、変化が激しく予測不可能に見える社会状況を表現するときに使われます。
ヒトが社会を形成し、社会基盤をハードとソフトの両面から発展させてきました。人類史的にみると大きな転換点がいくつかあり、その中でも大きな転換点は産業革命とそこから始まった近代主義があります。そして近代社会が新たな転換点を迎えるのは1970年代です。
社会状況としての「VUCA」はこの1970年代以降を言い表しています。
その不安定で変化の激しい社会にどのように適応するか、というのが上述の3冊の共通認識です。答えは「自分のバイアスと上手に付き合う事」です。
「バイアス」と言う言葉の原義は「偏り」を意味します。上述の3冊が焦点を当てている「バイアス」は「認知バイアス」とも呼ばれます。バイアス自体は「良い」「悪い」の価値判断とは関係ありません。功を奏すれば「良い」となり、失敗の元凶になっていれば「悪い」という判断になります。
「認知バイアス」は、一般に気づくことの障害になると考えます。「認知バイアス」とは慣習的に物事を判断する傾向全般を指します。多様な価値観の共存と共生を実現しようとしている社会において、「認知バイアス」が偏見や人間関係の摩擦を大きくすることがあります。また、製品の検品や医師のレントゲン写真の診断などでうっかり見落とすというのも「認知バイアス」の影響だとされます。
「気づくことの障害」となっている「認知バイアス」に気づくことが「気づくこと」の第一歩です。
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