最強のバイアス
読書を通じて2023年2月頃から、脳による知覚の構造が気になり始めました。そして、知覚の仕組みを通して知覚の仕方を変えられることが分かりました。さらに、脳神経の役割を変えられることを知りました。
『脳地図を書き換える』生田哲2009にそのことが書かれています。
ここ数年「認知バイアス」(この記事内では、バイアスとします)に人々の関心が向けられるようになりました。バイアスは生物進化の過程から生じるものもあれば、宗教や伝統的な習慣から生じるもの、個人的な体験・経験から生じるもなど多様です。
その中で、もっとも強力なバイアスの1つは脳に関する思い込みです。1937年にカナダの脳神経外科医ワイルダー・ペズフィールドが、脳内のどの部分が、体のどの部分とつながっているのかを表わす「脳地図」を発表しました。
一方で、その脳地図は書き換えられないもの。また、脳は、人が成人になると、あとは衰えるだけだと多くの医者が思い込んでいました。それが思い込みだったいうことが科学的にはっきりしはじめるのは1990年代のことでした。ですから、今現役の医者でも大学で勉強していた当時の医学界のパラダイム(専門分野における理論の枠組み)が大きく転換したことを知りません。
そして現時点での科学者の知見によれば、健康な状態であれば年齢に関係なく脳内で神経新生が起きる、脳の可塑性を失うことはないとされています。つまり、何歳になっても脳内で新たな神経のつながりを作ることができるのです。
この「いくつになっても脳内で新たに神経のつながりを作れる」ということを信じられる人の方が、脳をより良い状態に保とうとする意欲を持つことができます。
逆に言えば、この強力な思い込み(バイアス)を変更しないと、「脳の健康を保とう」ということに積極的にはなれないのではないかと思います。
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